よくある質問
よくある質問にお答えします。
FEMを用いた飽和・不飽和浸透流計算では、FEM各節点の全水頭や圧力水頭、および流量等が計算されます。 これら全水頭や流量は、繰り返し計算を行い求められます。 その繰り返し計算の過程で、SAUSEでは降雨からの浸透を次のように扱っています。
降雨浸透箇所のFEM節点iに対して
- 降雨量ri:降雨波形により与えられる節点iの降雨量
- 流量qi:浸透流計算により得られる節点iの流量
- ri > qiなら、節点iの流量はqiにする(qiより多い分の降雨は消えてなくなる)
- ri ≤ qiなら、節点iの流量はriにする
※ 降雨が全て流入しているわけではありません。
※ 繰り返し計算については以下を参照して下さい。
一般的にFEMを用いた飽和・不飽和浸透流計算では、
- 時刻tの計算結果を得るために、時刻tの全水頭(もしくは圧力水頭、以下同様)が必要
- しかし、時刻tの全水頭は、これから求めようとしている値なので分からない
- つまり、計算に必要な値が分からないので、時刻tの計算結果を得られない
という問題を解消しなければなりません。
その問題を解消するために、通常は以下の様な繰り返し計算を行います。
- 全水頭に仮の値(h1)を与え計算する
- 計算により全水頭(h2)が求められる
- h1(仮の値)とh2(計算により求められた値)を比較する
- h1とh2の差が、許容範囲内なら計算結果が得られたと判断する
- h1とh2の差が、許容範囲に収まっていないなら再計算する
- 全水頭にh2を与えて計算する
- 計算により全水頭(h3)が求められる
- h2とh3を比較する
- h2とh3の差が、許容範囲内なら計算結果が得られたと判断する
- h2とh3の差が、許容範囲に収まっていないなら再計算する
- 全水頭にh3を与えて計算する
- 計算により全水頭(h4)が求められる
- h3とh4を比較する
- h3とh4の差が、許容範囲内なら計算結果が得られたと判断する
- h3とh4の差が、許容範囲に収まっていないなら再計算する
- ………以下、同様………
※ 許容範囲内に収まるまで計算を繰り返しますが、何度繰り返しても許容範囲内に収まらないこともあります。 その場合は、計算結果が得られないものとして、計算を終了します。
降雨波形の降雨量は、非定常浸透流計算の時間の単位当りの降雨量です。
非定常浸透流計算の時間の単位として
- 「分」を選択した場合は1分当りの降雨量
- 「時」を選択した場合は1時間当りの降雨量
- 「日」を選択した場合は1日当りの降雨量
を入力します。
時間の単位が「分」の場合の60分1mmの降雨と、時間の単位が「時」の場合の1時間1mmの降雨は同じではありません。